「つむじハゲ」と「薄毛」、その違いとは？あなたの悩みを解消する見分け方
「最近、つむじのあたりが薄くなってきた気がする…」「これってつむじハゲ？それともただの薄毛？」
多くの人が抱えるこの疑問。実は、「つむじハゲ」と「薄毛」という言葉は混同されがちですが、それぞれが示す状態や原因、そして対策には微妙な違いがあります。ご自身の状態を正しく理解することは、適切な対策を始めるための第一歩です。
今回は、「つむじハゲ」と一般的な「薄毛」の違いについて、その特徴や見分け方、そしてそれぞれに関連する主な脱毛症の種類を詳しく解説していきます。
「つむじハゲ」と「薄毛」の一般的な違い
まず、一般的な言葉のニュアンスから見てみましょう。
- 薄毛: 髪の毛全体のボリュームが低下している状態、または髪の毛一本一本が細く弱っている状態を指すことが多いです。頭頂部だけでなく、分け目や前頭部、全体的に髪が痩せて見える状態も含まれます。
- つむじハゲ: 特に頭頂部にあるつむじの周辺の髪の毛が抜け落ち、地肌が広範囲に明らかに見えている状態を指すことが多いです。上から見るとO字型に地肌が露出しているように見えるため、「O字ハゲ」とも呼ばれます。
つまり、つむじハゲは薄毛の一種であり、特定の部位（つむじ周辺）に限定して薄毛が顕著に進行した状態を指すことが多い、という関係性になります。
「つむじハゲ」の特徴と見分け方
「つむじハゲ」は、特に以下の特徴が見られる場合に疑われます。
1. 地肌の透け具合と範囲
- 健康なつむじ: 髪の毛が渦を巻いているため、中心部分は多少地肌が透けて見えますが、それほど広範囲ではありません。地肌の色も健康的な青白い色をしています。
- つむじハゲ:
- つむじの中心だけでなく、その周辺の地肌も広範囲に透けて見えるようになります。光が当たると、地肌が白く反射して目立つことが多いです。
- 地肌の色が赤っぽかったり、茶色っぽかったりする場合もあります（頭皮環境の悪化や血行不良のサイン）。
2. 髪の毛の太さ・コシの変化
- 健康な髪: つむじ周辺の髪も、他の部位と同じように太く、ハリやコシがあります。
- つむじハゲ: つむじ周辺の髪の毛が明らかに細く、弱々しくなります。指で触ると、以前よりもコシがなく、ぺたんこになりやすいと感じることが増えます。髪が成長する前に抜けてしまうため、抜けた毛も短く細いものが多いです。
3. つむじの渦の明確さ
- 健康なつむじ: 髪の毛の渦がはっきりとしていて、流れが明確にわかります。
- つむじハゲ: つむじの渦がぼやけて、はっきりと見えにくくなります。髪の量が減り、髪自体も細くなるため、渦の形が維持できなくなるためです。
4. 薄毛の進行パターン
- つむじハゲは、主に頭頂部から円形に広がるように進行します。自分では鏡で見えにくいため、人に指摘されて初めて気づくケースも少なくありません。
他の「薄毛」のパターンとの違い
薄毛には、つむじハゲ（O字型脱毛症）以外にも、さまざまなタイプがあります。
1. 生え際の後退（M字型・U字型脱毛症）
- 特徴: おでこの左右（剃り込み部分）から薄毛が進行し、M字型になるタイプが「M字ハゲ」。さらに進行して全体的に生え際が後退すると「U字ハゲ」と呼ばれます。
- 原因: 男性型脱毛症（AGA）の影響を強く受ける部位であり、前頭部に多く存在する男性ホルモン感受性の毛根が影響を受けやすいです。
- つむじハゲとの違い: 薄毛の進行部位が異なります。AGAの場合、つむじハゲとM字ハゲが同時に進行する「混合型」も多く見られます。
2. 全体的な薄毛（びまん性脱毛症など）
- 特徴: 特定の部位だけでなく、髪全体が均一に薄くなるタイプです。髪の毛の本数が減るというよりは、髪の毛一本一本が細くなり、全体的にボリュームがなくなるように見えます。分け目が広がるように感じることもあります。
- 原因: 女性に多く見られる**FAGA（女性型脱毛症）**や、ストレス、加齢、栄養不足、甲状腺機能の異常、出産後のホルモンバランスの変化（分娩後脱毛症）などが原因となります。
- つむじハゲとの違い: 特定の部位に限定されず、頭部全体に薄毛の症状が現れる点が大きく異なります。
3. 円形脱毛症
- 特徴: 突然、円形や楕円形に髪の毛がごっそり抜け落ち、地肌が露出するタイプです。大小様々な大きさの脱毛斑が現れることがあります。
- 原因: 自己免疫疾患が原因と考えられており、ストレスや疲労が引き金となることもあります。
- つむじハゲとの違い: 進行パターンや見た目が大きく異なります。円形に「抜ける」点が特徴です。
最も一般的な原因「AGA（男性型脱毛症）」
男性のつむじハゲや生え際の後退のほとんどは、**AGA（男性型脱毛症）**が原因です。AGAは進行性の脱毛症で、男性ホルモンの影響によって髪の成長サイクルが短縮され、髪が太く長く育つ前に抜け落ちてしまうことで薄毛が進行します。
- つむじハゲは、AGAの代表的な進行パターンの一つです。つむじ周辺の毛根は、男性ホルモンの影響を受けやすいため、AGAが発症するとつむじから薄毛が進行することが非常に多いです。
- AGAは一度発症すると自然に治ることは稀で、放置すると徐々に進行していきます。
まとめ
「つむじハゲ」は、頭頂部の薄毛が顕著に進行した状態を指すことが多く、薄毛の一種です。一般的な薄毛には、つむじハゲ（O字型）の他に、生え際の後退（M字型・U字型）や、全体的な薄毛（びまん性）など、様々な種類があります。
特に男性のつむじハゲの多くは、AGAが原因で起こります。もしご自身のつむじや髪全体に変化を感じ、「もしかして薄毛？」と不安に思ったら、今回ご紹介した見分け方を参考に、ご自身の状態をチェックしてみてください。そして、一人で悩まずに、皮膚科や薄毛専門のクリニックなどの専門家へ相談することを強くおすすめします。
早期に原因を特定し、適切な対策を始めることが、薄毛の進行を食い止め、改善への第一歩となります。
