そのじゃがいも、本当に大丈夫?緑色や芽にはご用心!
食卓の強い味方、じゃがいも。カレーにシチュー、フライドポテトにと大活躍ですが、気づくと皮が緑色になっていたり、芽が出ていたりすることはありませんか?実は、その状態のじゃがいもは、ちょっとした危険をはらんでいるんです。今回は、緑色のじゃがいもや芽の正体と、安全に美味しくじゃがいもを楽しむための秘訣をお伝えしますね。
緑色や芽の正体は「天然の毒」!
じゃがいもが緑色に変色したり、芽が出たりするのは、じゃがいも自身が身を守ろうとする反応なんです。特に日光や強い光に当たると、じゃがいもの皮やそのすぐ下の部分で、「ソラニン」や「チャコニン」といった「グリコアルカロイド」という天然の毒性物質が増えてしまいます。
これらの毒性物質は、じゃがいもが害虫や病原菌から身を守るために作るもの。人間が大量に摂取すると、食中毒の原因になることがあります。
どんな症状が出るの?
ソラニンやチャコニンを摂取すると、早ければ食後30分から数時間で以下のような中毒症状が現れることがあります。
- 吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器系の症状
- 頭痛、めまい、倦怠感
- ひどい場合には、意識障害や呼吸困難に陥ることも
特に、体が小さい乳幼児は少量でも影響を受けやすいため、細心の注意が必要です。
緑色や芽のあるじゃがいも、どうすればいい?
「もったいないから…」と、つい食べてしまいたくなる気持ちもわかります。でも、安全のためには以下のポイントを守りましょう。
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緑色の部分をしっかり取り除く!
皮が緑色になっている部分は、毒性物質が多く含まれています。たとえ薄くても、その部分から厚めに、そして広めに切り取って捨てましょう。緑色の部分が広範囲にわたる場合は、食べるのを諦めてください。
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芽は根元から完全に除去する!
芽の部分にもソラニンなどが多く含まれています。芽が出ている場合は、その芽だけでなく、芽の周りのくぼんだ部分も含めて、包丁などで完全にえぐり取るように除去しましょう。
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家庭菜園のじゃがいもに特に注意!
ご自宅の菜園でじゃがいもを育てている方は、土寄せが不十分でじゃがいもが光に当たり、緑化が進んでしまうことがあります。収穫時や保管時には特に注意が必要です。
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判断に迷ったら「食べない」勇気を持つ!
少しでも不安を感じるようであれば、無理して食べるのはやめましょう。命や健康には代えられません。
じゃがいもを安全に保存する秘訣
じゃがいもを毒性物質から守り、美味しく安全に保つためには、適切な保管方法がとても大切です。
- 光を避ける: じゃがいもは光に当たると緑化が進みます。直射日光はもちろん、蛍光灯の光も避けて、新聞紙で包んだり、光の当たらない冷暗所(例えば、シンク下の棚や常温保存できる戸棚など)に保存しましょう。
- 涼しい場所で: 低温すぎると傷みやすく、高温すぎると芽が出やすくなります。適度な温度(目安として5~10℃くらい)で保存するのが理想です。
- 通気性を良くする: 湿気がこもるとカビが生えたり、傷んだりしやすくなります。風通しの良い場所で保存しましょう。
- りんごと一緒に: じゃがいもと一緒にりんごを置いておくと、りんごから出るエチレンガスがじゃがいもの芽の成長を抑える効果があると言われています。
これらの方法で、じゃがいもを新鮮に保ち、食中毒のリスクを減らすことができます。
じゃがいもは、私たちの食生活を豊かにしてくれる素晴らしい食材です。適切な知識を持って、安全に、そして美味しく、じゃがいも料理を楽しんでくださいね!