ビジネスレターの書き方:心を伝える手紙のマナーと基本


デジタル化が進む現代においても、ビジネスシーンで手紙(ビジネスレター)を送る機会は意外と多いものです。お礼状、お詫び状、資料送付の添え状など、手紙はメールやチャットでは伝えきれない丁寧さや真剣な気持ち、感謝の心を伝える効果的な手段となります。

しかし、「ビジネスレターってどう書けばいいの?」「どんなマナーがあるんだろう?」と悩む方もいるかもしれません。ビジネスレターには、基本的な構成や守るべきマナーがあります。

この記事では、ビジネスレターの基本的な書き方から、押さえておきたいマナー、そして各場面で役立つ例文まで、分かりやすく徹底解説します。心を込めた一通の手紙で、あなたのビジネスコミュニケーションをより円滑に、そして印象深いものにしていきましょう。


1. ビジネスレターの基本構成:押さえるべき7つの要素

ビジネスレターには、一般的に守るべき決まった構成があります。これらの要素を順序良く配置することで、読み手にとって分かりやすく、失礼のない手紙になります。

1-1. 1. 日付

手紙を書いた日付を記載します。西暦または和暦で、右寄せで記入するのが一般的です。

  • 例: 2025年7月12日、令和7年7月12日

1-2. 2. 宛名(会社名・部署名・役職・氏名)

最も重要な部分です。**「誰に、何を伝えたいか」**を明確にするため、正確に記載しましょう。

  • 会社の正式名称: (株)などと略さず、株式会社を正式に記載します。

  • 部署名・役職名: 部署名、役職名は氏名の上に配置します。

  • 敬称:

    • 会社・団体宛て:御中(例:〇〇株式会社 御中)

    • 個人宛て:(例:〇〇株式会社 営業部 〇〇様)

    • 役職名+氏名:(例:〇〇株式会社 代表取締役 〇〇様)

    • 役職名のみ:は不要(例:〇〇株式会社 代表取締役)※ただし、最近では「代表取締役様」と「様」を付けるケースも増えています。迷ったら「様」を付けても問題ありません。

  • 複数名宛て: 部署名の下に連名で記載し、それぞれに「様」を付けます。

1-3. 3. 差出人名(会社名・部署名・役職・氏名・住所・連絡先)

手紙の送り主の情報です。右寄せで、宛名よりも少し下の位置に記載します。

  • 例:

    〒XXX-XXXX

    東京都港区XXXX

    株式会社〇〇

    〇〇部 〇〇

    電話番号:XXX-XXXX-XXXX

    FAX:XXX-XXXX-XXXX(もしあれば)

    E-mail:XXXX@XXXX.co.jp(もしあれば)

1-4. 4. 件名(タイトル)

手紙の内容を簡潔に示し、読み手が何の用件の手紙か一目でわかるようにします。本文の前に、中央寄せで記載します。

  • 例: 「〇〇の件に関するお礼」「資料送付のご案内」「〇〇に関するお詫び」

1-5. 5. 頭語と結語

手紙の始まりと終わりを飾る対となる挨拶です。丁寧な印象を与えます。

  • 一般的な組み合わせ: 「拝啓」と「敬具」

  • より丁寧な組み合わせ: 「謹啓」と「謹白」(かしこまった内容や目上の方向け)

  • 時候の挨拶を省略する場合: 「前略」と「草々」(親しい相手や急ぎの用件の場合)

1-6. 6. 本文

手紙のメインとなる内容です。以下の流れで構成するのが一般的です。

  • 時候の挨拶: 季節に応じた挨拶。頭語の後に続きます。

    • 例: 「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」

    • 「さて」などの接続詞: 時候の挨拶から本題に入るための接続詞を入れます。

  • 主文: 手紙の最も伝えたい内容を簡潔かつ具体的に記載します。結論から書くことを意識すると、分かりやすくなります。

  • 結びの挨拶: 今後の協力や健康を願う言葉など、相手への配慮を示す言葉で締めくくります。

    • 例: 「末筆ではございますが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。」

1-7. 7. 記書き(必要に応じて)

本文とは別に、箇条書きで伝えたい情報がある場合に用います。

「記」と中央に記載し、その下に箇条書きで内容を記載し、最後に右寄せで「以上」と書きます。

  • 例:

    1. 会議日時:〇月〇日(〇)午前10時

    2. 場所:弊社会議室

      以上


2. ビジネスレターのマナー:これで完璧!

上記で挙げた構成以外にも、ビジネスレターを送る上で心がけるべきマナーがあります。

2-1. 用紙と筆記具

  • 用紙: 白無地の便箋やビジネス用レター用紙を使用します。会社指定のレターヘッドがあればそれを使います。

  • 筆記具: 万年筆や黒のボールペンを使用します。消せるペンや鉛筆は避けましょう。

2-2. 誤字脱字のチェック

書き損じや誤字脱字は、相手に不注意な印象を与えてしまいます。書き終えたら必ず見直し、誤りがないか確認しましょう。修正液や修正テープの使用は基本的に避け、書き直すのがマナーです。

2-3. 敬語の適切な使用

ビジネスレターでは、適切な敬語を使用することが必須です。尊敬語、謙譲語、丁寧語を正しく使い分けましょう。

2-4. 簡潔で分かりやすい文章

長文になりすぎず、伝えたいことを明確に簡潔にまとめましょう。一文を短くする、箇条書きを活用するなど、読みやすさを意識します。

2-5. 封筒の書き方

  • 宛名: 封筒の表面中央に、住所、会社名、部署名、役職、氏名を正確に記載します。

  • 差出人: 封筒の裏面左下に、差出人の住所、会社名、氏名を記載します。

  • 封字: 封筒の閉じ目には、「〆」「封」「緘」などの封字を記載します。

  • 切手: 料金不足がないように、正しい金額の切手を貼ります。

2-6. 送付方法

  • 添え状(送付状): 資料などを同封する場合は、内容物を記載した添え状(送付状)を添付するのがマナーです。

  • 三つ折り: 長形封筒に入れる場合は、手紙を三つ折りにするのが一般的です。


まとめ:手紙で築く、信頼関係と良好な人間関係

ビジネスレターは、単なる情報の伝達手段ではありません。そこには、相手への敬意や感謝、気遣いといった「心」が宿ります。正しい構成とマナーを守って手紙を書くことで、あなたの真摯な姿勢が伝わり、相手との信頼関係を深めることができます。

「手紙」というアナログな手段だからこそ伝わる温かみや丁寧さで、あなたのビジネスコミュニケーションをより豊かなものにしていきましょう。

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