左の脇の下が「ズキン」と痛む…これって何?女性に多い原因と自分でできる対処法
「ふとした瞬間に、左の脇の下がズキンと痛む…」「もしかして、何か悪い病気?」
特に女性の場合、脇の下の痛みはデリケートな問題で、不安に感じることも多いのではないでしょうか。脇の下は、リンパ節や血管、神経が集中しており、さらに乳房にも近い位置にあるため、様々な原因が考えられます。
この記事では、女性が左の脇の下に「ズキン」とした痛みを感じる時に、どんな原因が考えられるのか、自分でできる対処法、そして「この痛み、病院に行くべき?」と迷った時の受診の目安まで、分かりやすく解説していきます。あなたの不安を少しでも和らげ、適切な対処につながるヒントを見つけていきましょう。
左脇の下の痛み、女性によくある原因はこれ!
脇の下の痛みは、原因によって痛みの種類や強さ、他の症状の有無が異なります。女性の場合に特に多く見られる原因を見ていきましょう。
1. ホルモンバランスの揺らぎ:乳腺と生理周期の関連
女性の体は、ホルモンバランスの変化に非常に敏感です。脇の下の痛みも、このホルモンの影響を大きく受けることがあります。
生理前や生理中:
女性ホルモンの影響で乳腺が張ると、その痛みが脇の下にまで広がり、「ズキン」「チクチク」「ピリピリ」とした痛みや、全体的に張ったような不快感として感じられることがあります。これはごく一般的な症状で、生理が始まると痛みが和らぐことが多いです。
妊娠・出産・授乳期:
乳腺の発達や乳汁分泌、または乳腺炎(特に授乳中の乳房の炎症)によって脇の下のリンパ節が腫れて痛むことがあります。
更年期:
ホルモンバランスが大きく変動する更年期には、乳房や脇の下の痛みを訴える方も少なくありません。これもホルモンが関係していると考えられます。
2. リンパ節の腫れ:体からのSOSサインかも?
脇の下には、全身のリンパ液を集める重要なリンパ節がたくさん集まっています。このリンパ節が腫れると、痛みやしこりのように感じることがあります。
感染症との闘い:
風邪やインフルエンザなどのウイルス感染、虫刺されや皮膚の傷からの細菌感染など、体内で炎症が起きると、免疫機能が活発になりリンパ節が腫れることがあります。これは体が病原体と戦っている証拠でもあります。
皮膚の炎症やできもの:
脇の下の皮膚に、ニキビのような毛嚢炎(毛穴の炎症)や、汗をかいてできるあせも、下着などによる接触性皮膚炎(かぶれ)などができると、その炎症が周囲のリンパ節に影響して痛みを引き起こすことがあります。
粉瘤(ふんりゅう)や脂肪腫:
皮膚の下にできる良性のしこりですが、炎症を起こすと腫れて痛むことがあります。
3. 筋肉や神経のトラブル:実は肩こりや姿勢が原因?
意外かもしれませんが、肩や首の凝りが脇の下の痛みの原因になっていることもあります。
筋肉の凝り・疲労:
パソコン作業やスマートフォンの使いすぎなどで肩や首が慢性的に凝っていると、その緊張が脇の下周辺の筋肉にまで影響し、ズキズキとした放散痛として感じられることがあります。長時間の無理な姿勢や、同じ腕を酷使する作業も原因になりえます。
肋間神経痛(ろっかんしんけいつう):
肋骨の間を通る神経が何らかの原因で圧迫されたり、炎症を起こしたりすることで、脇腹から脇の下、背中にかけて「ズキン」とした鋭い痛みが走ることがあります。咳やくしゃみ、深呼吸で痛みが強くなることも特徴です。
帯状疱疹(たいじょうほうしん):
過去に水ぼうそうにかかったことがある人に発症するウイルス性の病気です。初期症状として、脇の下から胸にかけて「ピリピリ」「チクチク」といった神経痛のような強い痛みが現れ、数日後に赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れます。
4. 心配な病気:乳がんの可能性は?
可能性としては低いですが、女性にとって脇の下の痛みは、乳がんとの関連を心配する方もいるかもしれません。
乳がんの症状:
乳がん自体は痛みを伴わないケースが多いですが、がんが進行して脇の下のリンパ節に転移すると、リンパ節の腫れや痛みとして現れることがあります。しこりを伴う場合は、特に注意が必要です。
痛みの原因は様々ですが、ご自身の症状を正しく把握することが、適切な対処の第一歩となります。
ズキンと痛む左脇の下、自分でできる応急処置とケア
すぐに病院に行けない場合や、痛みが軽度であれば、まずはご自身でできる対処法を試してみましょう。
安静にする:
腕や肩の使いすぎが原因であれば、その部位を休ませるのが一番です。無理な動きは避けて、リラックスできる体勢で過ごしましょう。
温める vs 冷やす:
温める(血行不良・筋肉の凝り): 肩こりや筋肉の凝りが原因なら、蒸しタオルや温湿布で脇の下や肩、首周りを温めてみましょう。ゆっくりと湯船に浸かるのも効果的です。血行が促進され、痛みが和らぐことがあります。
冷やす(炎症・腫れ): リンパ節の腫れや皮膚の炎症が疑われる場合は、冷湿布や濡らしたタオルなどで優しく冷やすと、痛みが軽減されることがあります。ただし、冷やしすぎは逆効果になることもあるので、様子を見ながら行いましょう。
下着の見直し:
ワイヤーが食い込むようなブラジャーや、締め付けのきつい下着は、血行を妨げ、痛みを悪化させる可能性があります。一時的に、ノンワイヤーブラやカップ付きのキャミソールなど、締め付けの少ないゆったりとした下着を選んでみてください。
市販の痛み止め:
一時的に痛みを和らげたい場合は、市販の解熱鎮痛剤(痛み止め)を服用するのも一つの方法です。用法・用量を守って使いましょう。
清潔を保つ・保湿する:
皮膚トラブルが原因なら、脇の下を清潔に保ち、汗をかいたらこまめに拭き取りましょう。肌が乾燥している場合は、刺激の少ない保湿剤で優しくケアすることも大切です。
こんな場合は迷わず病院へ!受診の目安と受診すべき診療科
ご自身でできる対処法を試しても痛みが改善しない、または以下のような症状がある場合は、迷わずに医療機関を受診しましょう。
病院を受診するべき「サイン」
痛みが強くなる・数日以上続く:
一時的な痛みではなく、痛みがどんどん悪化している、または一週間以上続く場合は、専門医の診察が必要です。
しこりを触れる:
脇の下にしこりを感じる場合、痛みがあるかどうかに関わらず、必ず病院を受診してください。
発熱や倦怠感を伴う:
体調が優れない、熱があるといった場合は、感染症の可能性も考えられます。
皮膚に異常がある(発疹、水ぶくれ、赤みなど):
帯状疱疹や蜂窩織炎(ほうかしきえん)など、皮膚の病気の可能性があります。
腕や手のしびれを伴う:
神経の圧迫や炎症など、別の原因が考えられます。
乳房にしこりや変形、分泌物などの異常がある:
乳房自体に気になる症状がある場合は、乳腺の病気の可能性が高いです。
痛みが強く、日常生活に支障をきたす:
我慢せずに、専門医に相談しましょう。
何科に行けばいいの?
女性の脇の下の痛みの場合、まずは以下の診療科を検討しましょう。
乳腺外科:
女性の脇の下の痛みは、乳腺に関連していることが多いため、最も適切な診療科の一つです。乳がんの検査も兼ねて診てもらえるため、安心です。
内科:
リンパ節の腫れや感染症、全身の状態を診てもらうことができます。
皮膚科:
脇の下の皮膚に発疹、できもの、炎症などが見られる場合。
整形外科:
肩こりや筋肉、神経の痛みが疑われる場合(肋間神経痛など)。
迷う場合は、まずはかかりつけ医や乳腺外科に相談し、必要であれば適切な診療科を紹介してもらいましょう。
まとめ:不安を抱え込まず、早めの対処と受診で安心を!
左の脇の下がズキンと痛む症状は、女性にとって非常に心配なものです。ホルモンバランスの変化による一時的なものから、リンパ節の腫れ、筋肉・神経のトラブル、そして稀に乳腺の病気まで、様々な原因が考えられます。
ご自身でできる対処法を試しながらも、痛みが続く場合や、しこり、発熱、発疹などの気になる症状がある場合は、決して無理せず、早めに医療機関を受診してください。特に、女性は乳腺外科への受診を検討することをおすすめします。
この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、適切な行動につながる一助となれば幸いです。ご自身の体を大切に、専門医の診断を受けて、安心して毎日を過ごしてくださいね。