飛び石で車のガラスが!保険を使っても等級が下がらないケースとは?
「運転中に『パシッ!』と嫌な音がして、フロントガラスにヒビが…」
飛び石によるガラスの損傷は、いつ誰にでも起こりうるアクシデントですよね。修理となると費用が気になりますが、「保険を使うと等級が下がってしまうのでは?」と心配する方も多いのではないでしょうか。
ご安心ください!実は、飛び石によるガラスの損害の場合、保険を使っても等級が下がらない、または等級ダウンが限定されるケースがあるんです。
今回は、飛び石で保険を使う際の等級に関する疑問を解消し、保険を使うべきかどうかの判断基準についても詳しく解説します。
飛び石で保険を使っても等級が「下がらない」は本当?
結論から言うと、本当です。
自動車保険には、「ノーカウント事故」という特別な区分があり、これに該当する事故で保険を使っても、翌年度の保険等級は下がりません。飛び石によるガラスの損害は、多くの場合この「ノーカウント事故」として扱われます。
ノーカウント事故とは?
ノーカウント事故とは、保険会社が定める特定の事故で保険金を受け取っても、翌年度の保険料の等級が上がらず、事故あり係数適用期間もリセットされない事故のことです。
主なノーカウント事故の例として、以下のようなものがあります。
人身傷害保険を使用した場合
無保険車傷害保険を使用した場合
搭乗者傷害保険を使用した場合
弁護士費用特約を使用した場合
そして、**ガラス損害(飛び石などによるもの)**を車両保険で修理した場合
ただし、これはあくまで一般的なケースであり、契約している保険会社やプラン、事故の状況によって異なる場合があります。必ずご自身の保険契約内容を確認するか、保険会社に直接問い合わせるようにしましょう。
なぜ飛び石はノーカウント事故になるの?
飛び石は、どれだけ安全運転をしていても避けられない、偶発的な事故の典型例です。運転者の過失によって起きる事故とは性質が異なるため、保険会社も等級に影響させないことで、加入者が安心して保険を利用できるように配慮していると考えられます。
大手保険会社の場合(東京海上日動、損保ジャパンなど)
多くの大手損害保険会社では、飛び石によるガラス損害はノーカウント事故として扱われるのが一般的です。
東京海上日動:車両保険の「ガラス単独事故」として扱われ、等級はノーカウント事故として下がらないことが一般的です。
損保ジャパン:同様に、ガラス損害はノーカウント事故扱いとなるケースが多いです。
他の保険会社でも同様の扱いをしていることがほとんどですが、念のためご自身の保険証券や契約内容を確認するか、保険会社のウェブサイトや問い合わせ窓口で確認してください。
飛び石で保険を使うべき?自己負担と修理費用の比較
「等級が下がらないなら、すぐに保険を使えばいいの?」と思うかもしれませんが、いくつか考慮すべき点があります。
1. 免責金額(自己負担額)の確認
車両保険には、保険を使用する際に契約者が自己負担する金額として「免責金額」が設定されていることが多いです。例えば、免責金額が5万円の場合、修理費用が10万円かかっても、保険会社から支払われるのは5万円で、残りの5万円は自己負担となります。
ガラス修理の費用が免責金額よりも安い場合、保険を使っても自己負担額は変わりませんし、手続きの手間などを考えると、自己負担で修理した方が良い場合もあります。
2. 修理費用の相場
車のガラス修理費用は、ヒビの大きさや場所、車種によって大きく異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
小さいヒビの補修(リペア): 1.5万円~3万円程度
ガラス交換: 8万円~20万円以上(車種やガラスの種類による)
もし修理費用が免責金額を大幅に上回る場合は、保険を使うメリットが大きいと言えるでしょう。
3. 保険料への影響(次年度の保険料)
ノーカウント事故であっても、保険を使うと翌年度の保険料に影響が出る可能性がゼロではありません。具体的には、「事故あり係数適用期間」はリセットされませんが、保険会社によっては、保険金の支払い実績によって、次年度の保険料割引率が変わる場合があります。
ただし、これはごくわずかな影響にとどまることがほとんどで、等級ダウンによる保険料アップほどの影響はありません。
保険を使うべきかどうかの判断基準
これらの点を踏まえて、飛び石で保険を使うべきかどうかの判断基準を考えてみましょう。
修理費用が免責金額を大きく上回る場合:
**迷わず保険の利用を検討しましょう。**特にガラス交換が必要な場合は、費用が高額になるため保険を使うメリットが大きいです。
修理費用が免責金額を下回る、または同程度の場合:
自己負担で修理する方が、手続きの手間や、ごくわずかな保険料への影響を考えると合理的かもしれません。
とにかく保険料への影響を最小限に抑えたい場合:
たとえノーカウント事故であっても、保険の使用履歴を残したくないという場合は、自己負担も選択肢になります。
迷った場合は、まずは加入している保険会社に連絡し、**「飛び石によるガラス損害で車両保険を使った場合、等級や保険料にどのような影響がありますか?」**と具体的に質問してみましょう。担当者が詳しく説明してくれます。
飛び石によるガラス修理の流れと注意点
安全な場所に停車: ヒビが入ったまま走行するのは危険です。すぐに安全な場所に車を停めましょう。
状況の確認と写真撮影: ヒビの大きさや場所を正確に確認し、写真に撮っておきましょう。
警察への連絡(任意): 基本的に飛び石は物損事故なので警察への連絡は必須ではありませんが、第三者による損害証明が必要な場合や、念のため記録を残しておきたい場合は連絡しても良いでしょう。
保険会社への連絡: 状況を確認したら、速やかに保険会社に連絡し、事故報告と保険利用の意向を伝えます。
修理業者の選定: 保険会社から提携している修理工場を紹介されることもありますが、ご自身で信頼できるガラス修理業者を選ぶことも可能です。見積もりを取って比較検討しましょう。
修理: リペアか交換か、適切な方法で修理を行います。
飛び石によるヒビ、放置はNG!
どんなに小さなヒビでも、放置すると運転中の振動や温度変化、洗車時の水圧などで大きく広がってしまう可能性があります。そうなると、リペアでは対応できなくなり、高額なガラス交換が必要になってしまいます。
ヒビを見つけたら、できるだけ早く対処することが大切です。
まとめ:飛び石でのガラス修理は、慌てず保険会社に相談を!
飛び石によるガラスの損傷は突然のことで驚くかもしれませんが、多くのケースで車両保険の「ノーカウント事故」として扱われ、等級に影響なく保険を利用できる可能性があります。
修理費用と免責金額を比較し、ご自身の保険会社に問い合わせて正確な情報を確認することが、後悔しない選択をするための鍵です。
ヒビを放置すると拡大するリスクが高まりますので、もし飛び石被害に遭ってしまったら、焦らず迅速に保険会社や修理業者に相談するようにしましょう!