災害時の医療・救護|命を守るための備えと知識
災害が発生すると、病院や診療所が被災したり、交通網が寸断されたりして、いつものように医療サービスを受けることが難しくなります。そんな時、自分や家族の命を守るためには、日頃からの備えと適切な知識が不可欠です。
このブログでは、災害時に役立つ医療・救護の知識と具体的な備蓄品について、分かりやすく解説します。
1. 災害時の医療体制はどうなっているの?
大規模災害発生時、行政や医療機関は連携して迅速な医療救護体制を構築します。この体制を理解しておくと、いざという時にどこへ行けばよいか判断する助けになります。
災害拠点病院: 重傷者や重篤な患者を受け入れる、災害医療の中心的な役割を担う病院です。医療用医薬品や医療機材の備蓄、耐震性の確保、自家発電設備の設置などが義務付けられています。
DMAT(災害派遣医療チーム): 災害急性期(発災後48時間以内)に被災地へ駆けつけ、救急治療を行う専門の医療チームです。医師、看護師、業務調整員で構成され、広域的な医療支援を行います。
医療救護所: 公民館や学校など、地域住民の避難場所となる施設に設置されます。軽症者の応急処置や、薬の処方、健康相談などを行います。主に地域の医師会や薬剤師会が中心となって活動します。
巡回医療: 避難所などを医療チームが巡回し、被災者の健康状態の確認や診療を行います。特に、高齢者や障がい者など、移動が困難な方々への重要な支援となります。
2. 自分や家族の命を守る「自助」の備え
行政による支援はありますが、災害発生直後は公的な医療サービスが届くまで時間がかかる可能性があります。まずは、自分たちでできる「自助」の備えをしっかり行いましょう。
応急手当の知識を身につける
専門的な医療知識がなくても、簡単な応急手当を知っているだけで、ケガの悪化を防ぎ、命を救える可能性があります。
止血: 大量出血している場合は、清潔な布などで傷口を強く押さえつけ、止血を試みます。
骨折・捻挫: 無理に動かさず、添え木などを使い患部を固定します。
やけど: まずは清潔な水で冷やし、患部を清潔な布で保護します。無理に衣服を脱がせないように注意しましょう。
心肺蘇生・AED: 日頃から講習会などに参加し、正しい使い方を身につけておきましょう。
医薬品・医療品の備蓄リスト 💊
日常的に服用している薬がある人は、災害時に備えて多めに備蓄しておくことが非常に重要です。
処方薬: 少なくとも1週間分、可能であれば2週間分を目安に備蓄しましょう。かかりつけ医や薬剤師に相談して、災害用の予備薬について確認しておくと安心です。
お薬手帳: 普段から持ち歩く習慣をつけましょう。服用中の薬の種類や量がわかるため、避難先の医療機関での診療に役立ちます。電子版お薬手帳の利用も便利です。
常備薬: 風邪薬、解熱鎮痛剤、胃腸薬、アレルギー薬など。
救急セット: 絆創膏、ガーゼ、包帯、消毒液、体温計、ハサミ、ピンセット、使い捨て手袋など。
持病の管理用品: 血糖値測定器、インスリン、血圧計など、持病の管理に必要な医療機器や消耗品。
3. 災害医療を支えるボランティアとDMAT
災害時には、行政や医療機関だけでなく、多くの人々が助け合い、医療活動を支えています。
医療ボランティア
医師、看護師、薬剤師などの医療従事者が、自発的に被災地での医療支援活動に参加します。所属する医療機関や各職能団体(医師会、看護協会など)を通じて活動することが多いです。一般の人でも、被災地での医療支援に関わるボランティア団体に登録し、支援活動を行うことができます。
DMAT(災害派遣医療チーム)
DMATは、医師、看護師、業務調整員からなる専門チームで、大規模災害時に災害拠点病院から派遣されます。彼らは被災地で救急治療やトリアージ(治療の優先順位付け)を行い、被災地内の医療体制を支援します。その迅速な対応は、多くの命を救う上で不可欠な存在です。
まとめ
災害時の医療・救護は、行政や専門チームの活動だけでなく、私たち一人ひとりの備えと知識が非常に重要です。日頃から応急手当の知識を学び、自分や家族に必要な医薬品・医療品を準備しておきましょう。
万が一の事態に備え、命と健康を守るための行動を今から始めませんか?