活断層とは何か|地震リスクを理解するための基礎知識
はじめに:地震大国ニッポンで知っておきたい活断層
「活断層」という言葉をニュースや防災情報で耳にすることがあります。
しかし、具体的にどのようなものか、なぜ地震と関係があるのかを知っている人は意外と少ないものです。
日本は地震が多い国。特に都市部の地下には知られざる活断層が存在し、地震発生リスクに直結します。
この記事では、活断層の定義・種類・特徴・リスクを分かりやすく解説します。
1. 活断層の定義
活断層とは、地質学的に過去数十万年以内に動いたことがあり、将来も動く可能性のある断層のことを指します。
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断層:地殻がずれて生じた「地面の亀裂」
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活断層:今後も地震を引き起こす可能性が高い断層
▶ つまり、単なる地面のひび割れや古い断層ではなく、地震の原因になり得る断層を活断層と呼びます。
2. 活断層が起こす地震
活断層が急に動くと、地震が発生します。
断層の長さや活動の仕方によって、地震の規模(マグニチュード)が変わります。
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短い活断層:局地的な地震(震度4~5程度)
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長い活断層:広範囲に影響する大地震(震度6以上)
日本で起きる直近の地震の多くは、プレート境界だけでなく、内陸活断層の活動が原因です。
3. 活断層の種類
活断層は、断層の動き方によって主に3種類に分けられます。
1. 逆断層(ぎゃくだんそう)
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断層面の上側の地盤が下側の地盤の上に押し上げられる
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山地や丘陵地帯に多く、地震時に縦方向の揺れが強くなる
2. 正断層(せいだんそう)
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断層面の上側が下側に引っ張られる
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地割れや段差が目に見えることもある
3. 横ずれ断層(よこずれだんそう)
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地盤が水平にずれる
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長い断層で地震が起きると、地表に大きな横方向の変形が現れる
▶ 活断層の種類によって、揺れの方向や地震被害の形も変わります。
4. 活断層の特徴と見つけ方
活断層は地表から目で見える場合もありますが、土砂や植生で覆われていることが多いです。
特徴としては、
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連続した地割れや小さな段差
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道路・川・畑などが不自然に曲がる
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谷や崖の形が一直線に見える
などが挙げられます。
専門家は地質調査・航空写真・地形解析を組み合わせて活断層を特定しています。
5. 活断層と防災対策
活断層の存在は地震リスクの把握に直結します。
住宅や都市計画では以下のような対応が重要です。
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活断層の近くには建物を建てない
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耐震設計を強化(免震・制震構造)
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防災マップで活断層の位置を確認
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避難経路・備蓄品の準備
▶ 活断層を知ることは、自分や家族の命を守る第一歩です。
まとめ:活断層を理解して地震リスクに備える
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活断層 = 過去に動いたことがあり、将来も動く可能性のある断層
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断層の種類(逆・正・横ずれ)によって揺れ方や被害が変わる
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地表の段差や地形から活断層を推測できる場合もある
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防災対策や耐震住宅選びに活断層情報を活かすことが重要
地震大国の日本では、活断層の知識を持つことが安全で快適な暮らしを守る鍵です。