🗑️ 会社の「研修資料」の正しい捨て方と注意点
会社の研修資料を捨てる際は、単なる紙くずとして処分するのではなく、情報漏洩を防ぎ、法令を遵守するための適切な手順を踏む必要があります。特に、資料に機密情報や個人情報が含まれている場合は細心の注意が必要です。
ここでは、研修資料を安全かつ正しく処分するための手順と、知っておくべき重要な注意点を解説します。
1. 研修資料の処分に関する基本ルールを確認する
資料を捨てる前に、まず自社の情報セキュリティポリシーや文書管理規程を確認することが最優先です。
廃棄方法の指定:会社によっては、資料の種類(機密レベル)に応じて、溶解処理、シュレッダー処理、専門業者への委託など、廃棄方法が厳しく定められている場合があります。
保管期間の確認:資料によっては、監査対応や法令遵守のために一定期間の保管が義務付けられているものもあります。人事関連や法令研修の資料などは、勝手に廃棄せず、担当部署(人事部や総務部)に確認を取りましょう。
電子データとの照合:紙の資料を処分しても、共有フォルダやクラウドにデータが残っている場合があります。紙媒体と電子データの両方を適切に**削除(消去)**する必要があります。
2. 資料の「情報レベル」に応じた適切な処分方法
資料に含まれる情報の重要度に応じて、最適な処分方法を選びます。
① 機密情報・個人情報を含む資料(重要度:高)
顧客リスト、人事情報、未公開の事業戦略、技術情報などが含まれる資料です。
処分方法:
高性能シュレッダー:クロスカット(細断片が短い)以上のシュレッダーで、復元が困難な状態にして細かく裁断します。
溶解処理業者への委託:セキュリティレベルが最も高い方法です。専門の業者が未開封のまま資料を溶解し、機密保持契約に基づき廃棄証明書を発行します。
焼却処理:溶解処理が難しい特殊な資料や、社内で焼却設備がある場合に限られます。
② 業務情報・一般的情報を含む資料(重要度:中)
一般的な業務フロー、製品概要(公開情報)、研修で配布された汎用的なテキストなどが含まれる資料です。
処分方法:
シュレッダー:機密情報レベルではない場合でも、細断することで情報漏洩のリスクを最小限に抑えます。
一般の古紙回収:細断しなくても問題ないと判断できる資料で、社内のルールで許可されている場合。ただし、氏名や電話番号などの個人情報がないか、念入りにチェックが必要です。
③ 不要なメモ・走り書き(重要度:低)
資料の余白にしたメモや、純粋な書き込み部分など、情報としての価値が低い部分です。
処分方法:
上記①または②に準じた処理を行います。たとえ走り書きでも、業務に関連するキーワードやパスワードの断片などが含まれている可能性があるため、必ずシュレッダーにかけるのが安全です。
3. 研修資料を捨てる際の具体的なチェックリスト
処分前に必ず以下の項目を確認しましょう。
機密・個人情報の有無:氏名、連絡先、特定の数値、未公開情報など、外部に知られてはならない情報が含まれていないか。
電子データ化の確認:資料がスキャンされ、必要な部署に電子データとして保管されているか。
上長への報告・許可:重要な研修の資料や大量の資料を廃棄する場合、上長または文書管理担当部署に報告し、廃棄の許可を得ているか。
廃棄記録の作成:特に機密性の高い資料を廃棄した場合、いつ、何を、誰が、どのように廃棄したかを記録に残すことで、後のトラブル防止になります。
個人の判断で研修資料を安易にゴミ箱に捨てることは、情報セキュリティ上のリスクとなり、会社全体の信用を損なう可能性があります。必ず会社の正規の手続きとルールに従って、安全に処分しましょう。