🛠️誰でもできる!わが家の耐震性能「簡易チェック」方法と重要ポイント
いつ起こるかわからない地震に備えるため、ご自宅の耐震性能がどの程度あるのかを知っておくことは非常に重要です。しかし、専門家による本格的な耐震診断は費用や時間がかかります。
まずは、ご自身で簡単に、目視や経験に基づいて住宅の耐震性の弱点を把握できる**「簡易チェック方法」を徹底解説します。このセルフチェックで不安を感じた場合は、専門家による詳細な診断を検討**しましょう。
1. 建築年と構造の基本チェック
ご自宅の耐震性を判断するうえで最も重要なのが**「建築された年」と「構造」**です。
📅築年数の確認
1981年(昭和56年)6月1日より前に着工された建物:「旧耐震基準」
1981年(昭和56年)6月1日より後に着工された建物:「新耐震基準」
旧耐震基準の建物は、新耐震基準の建物に比べ、大地震に対する倒壊リスクが高い傾向にあります。特に木造住宅の場合、耐震診断や補強が強く推奨されます。
🏠建物の構造と重さの確認
構造: 木造、鉄骨造、RC造(鉄筋コンクリート造)のどれに該当するか。
屋根材: 重い屋根(瓦屋根など)は、地震の揺れを大きくするため、軽い屋根(スレートや金属など)に変更するだけでも耐震性が向上します。
2. 建物全体の形状とバランスのチェック
地震の揺れに対する建物の強さは、建物の形や壁の配置のバランスに大きく左右されます。
📐建物の形はシンプルか?(平面形状)
チェック項目: L字型、コの字型、T字型など、複雑な形状をしていないか。
判断: 正方形や長方形などのシンプルで整った形の建物は、地震の力が均等に分散されやすく、耐震性が高いとされます。複雑な形状の場合、角の部分などに力が集中しやすくなります。
📏壁の配置は偏っていないか?(壁量とバランス)
チェック項目: 1階の外壁で、東西南北の各面に大きな窓や開口部が集中し、壁が全くない面がないか。
判断: 壁の配置が片寄っていると、壁の少ない部分に揺れが集中し、そこから先に壊れるリスクが高まります。壁がバランス良く配置されていることが重要**です。
⬆️上下階の壁は一致しているか?(直下率)
チェック項目: 2階の外壁の直下に、1階の外壁または内壁が存在しているか。
判断: 2階の壁と1階の壁が一致していると、地震の力がスムーズに下へ伝達されます。壁が一致していない(間取りが上下で大きく異なる)場合、床に大きな負荷がかかり、耐震性が低下します。
3. 劣化状況の目視チェック(初期警告サイン)
地震に対する抵抗力は、建物の劣化状況によって大きく変わります。目視で確認できる初期の警告サインを見つけましょう。
🧱基礎と外壁のチェック
チェック項目:
外周の基礎に幅0.5mm以上の大きなヒビや欠けがないか。
鉄筋がむき出しになってサビていないか。
外壁やコンクリートに斜めの亀裂が入っていないか。
判断: 基礎のヒビ割れは、建物の荷重を支える能力が低下しているサイン**です。
🪵床下・水回り周辺のチェック(老朽化とシロアリ)
チェック項目:
土台や床下の木材をドライバーなどで突いてみて、「ガサガサ」と手応えがない箇所がないか(腐食やシロアリの被害)。
風呂場や北側など湿気が多い場所の壁や床に劣化がない**か。
判断: 木材が腐食したりシロアリに食害されたりしていると、柱や土台が地震の力に耐えられず、骨組が抜けたり折れたりする危険性が高まります。
🚪建具と床のチェック
チェック項目:
扉や窓の開閉がスムーズでなく、建付けが悪くなっていないか。
床が傾いていたり、歩くと極端にきしむ箇所**がないか。
判断: これらは建物が全体的に歪んでいる可能性を示すサインであり、耐震性の低下を示唆します。
🌟まとめ:セルフチェックの後は専門家へ
簡易チェックは誰にでもできますが、あくまで大まかな不安を把握するためのものです。
もし、旧耐震基準の建物である場合や、上記のチェック項目で複数の不安要素が見つかった場合は、自治体が補助している**「無料簡易耐震診断」や、専門の建築士による「一般診断法」などの専門家の診断を受けることを強く推奨**します。
地震に強い家にしておくことが、家族の命と財産を守るための最大の対策**です。