👄 上下顎前突(じょうかがくぜんとつ)とは?原因と矯正治療


上下顎前突(じょうかがくぜんとつ)とは、歯と歯茎を支える上下の顎の骨全体、あるいは上下の前歯が、前方(唇側)に突出している状態を指します。いわゆる「出っ歯」や「口ゴボ」と呼ばれる状態の一つで、横から見たときのお口元の印象に大きく影響を与えます。

単に前歯だけが傾斜している「上顎前突(出っ歯)」とは異なり、上下顎前突は上下の顎の骨の位置や、顎の骨に植わっている上下すべての前歯が前に出ている点が特徴です。


🧐 上下顎前突の主な特徴

上下顎前突は、見た目と機能の両方において以下のような特徴や影響を及ぼします。

  • 口元の突出感(口ゴボ): 横顔を見たときに、鼻先や顎先よりも口元全体が前に突き出して見えます。

  • 口が閉じにくい: 唇を意識しないと閉じられず、無理に閉じようとすると顎の先に梅干しの種のようなシワ(オトガイ筋の緊張)ができることがあります。

  • ドライマウス(口呼吸): 唇が閉じにくいため、口が開いた状態になりやすく、口呼吸口腔内の乾燥を引き起こしやすくなります。

  • 歯並びは比較的良い場合がある: 前歯が前に出ているだけで、歯そのもののガタつき(叢生)は少ない場合があります。


🧬 上下顎前突の主な原因

上下顎前突になる原因は、主に遺伝的な要因と、後天的な習慣に分けられます。

1. 遺伝的・骨格的な要因

  • 顎の骨の大きさや位置: 上下顎の骨が、頭蓋骨に対して全体的に前方へ位置している場合。

  • 歯の大きさのアンバランス: 顎の骨の大きさに対して、歯が大きすぎる場合。

2. 習慣(後天的な要因)

  • 口呼吸: 慢性的な口呼吸により、舌が低い位置にあり、口周りの筋肉のバランスが崩れることで、前歯が外側に押されやすくなります。

  • 舌を前に出す癖(舌突出癖): 嚥下時や安静時に舌を前歯に押し付ける癖がある場合、前歯が前に押し出されます。

  • 指しゃぶり: 幼少期の長期的な指しゃぶりの習慣も原因となることがあります。


矯正治療の選択肢

上下顎前突の治療には、主に以下の二つのアプローチがあり、突出の度合いや骨格の状態によって選択されます。

1. 歯を抜いて行う矯正(非抜歯では難しいケースが多い)

上下顎前突の治療では、歯を並べるスペースを確保し、突出した前歯を大きく後退させるために**抜歯(小臼歯)**が必要になるケースが非常に多いです。

  • 目的: 抜歯によって得られたスペース(隙間)を利用し、前歯全体を後方に移動させて口元全体を引っ込めます。

  • 効果: 口元の突出感を劇的に改善し、 Eライン(エステティックライン)を整えることが可能です。

2. 外科手術を併用する矯正

骨格的な突出度が非常に大きい重度の上下顎前突の場合、通常のワイヤー矯正だけでは改善が困難です。

  • 手術の目的: 上下の顎の骨を一部切り取り、骨ごと後方に移動させます(セットバック手術)。

  • 対象: 顎の骨の位置自体に大きな問題がある場合や、歯を抜いても十分な改善が得られない場合に、外科的矯正治療が適用されます。

3. 治療期間

治療期間は、抜歯の有無や難易度によりますが、一般的に2年〜3年程度かかることが多いです。

上下顎前突は、単なる見た目の問題だけでなく、機能的な問題も伴うことがあるため、まずは矯正歯科医や口腔外科医に相談し、ご自身の骨格や歯並びの状態に合った最適な治療計画を立てることが重要です。

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